約 3,963,144 件
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/335.html
Little Wish(後編) ◆Qpd0JbP8YI 二人の間に入り、八神はやては切実な声で訴えかける。 「主、はやて……。何故ここに……? いえ、どいて下さい。私は奴を斬らねばならぬのです!」 「何で? 何でそないなことを言うん?」 八神はやての目を向けての真摯な問いに 思わずシグナムは目を逸らしてしまう。 「アレックスさんに聞いたんやけど、二人は殺し合いに乗っているってのはホンマなん?」 「……のってはいない」 返ってきたセフィロスの答えに八神はやては喜び、次いでシグナムに顔を向ける。 「シグナムはどうなん?」 「私は…………」 「…………何で答えてくれへんの?」 いつまでもその先の言葉を発さないシグナムに はやては問い詰めるが彼女は一向に口を開かない。 やがてそんなシグナムに向かって、はやては悲しそうに呟いた。 「ひょっとして私のためなん? 私のためにそないなことをしたん?」 「違います! 私は自分の意思で……」 思わず否定する。 が、自分の言葉が何を意味しているのかにシグナムが気がついた時にはもう遅かった。 「やっぱり乗っているんやね」 八神はやての悪辣ともいえる誘導尋問。 それに見事に嵌ってしまった自分の迂闊さをシグナムは再び呪った。 これではもう否定のしようがない。 「さっき血を流して倒れてた女の子。あれはシグナムのした事なん?」 シグナムにそれを答える術などない。 彼女は自分の慕う主、八神はやての望まぬ道を歩いたのだ。 それを八神はやて本人に晒して、 彼女を傷つけてしまうことはシグナムには躊躇われた。 だけど、そんなシグナムに向かって苛烈な言葉がぶつけられる。 「マスターである私の命令や! 嘘はなし! ちゃんと質問に答え!」 夜天の主たる八神はやての毅然たる瞳がシグナムに向けられる。 少女とも思えぬその威圧感がシグナムを怯ませ、 彼女の思いとは裏腹に無理矢理口を開かせる。 「…………私が…………やり……ました」 やっと聞き出したその答えにはやては悲しそうな顔を浮かべるが、 すぐに表情を引き締め、シグナムの元に歩み寄った。 「シグナム、ちょっとしゃがんでくれへん?」 「主……?」 疑問に思いながらも、素直にしゃがむシグナム。 その瞬間、シグナムの左頬にはやての平手打ちが決まった。 いきなりの事に呆然とするシグナムを無視して、今度は反対の頬にもう一発。 「主……何を?」 「痛いか? …………痛いかって聞いているんや!」 八神はやての顔を窺ってみれば、 彼女は涙を流し、胸が張り裂けそうなほど辛い顔をしていた。 それはシグナムにとって何よりも痛かった。 「痛かったやろ? せやけど死んでしまった女の子はもっと痛い思いをしたはずや。 それにその女の子かて私がシグナムを思うように、シグナムが私を思ってくれるように 大切に思う人、思ってくれる人がおったはずや。 言うたやんか、シグナム。私は誰にも悲しい思いをさせとうないって。 シグナムやって分かってくれるやろう? 大切な人を失うことがどれだけ辛いことか、どれだけ悲しいことか」 主を失うことを恐れ、剣を振っていたのだから、 シグナムにそれが分からないはずがなかった。 「偉そうなことを言うてるけど、私かて人様に迷惑をかけて来た。 車椅子のこともそうやし、闇の書事件やてそうや。 たくさんの人を傷つけて、今をこうして生きている。 せやからこそ、私は誰よりも誰かのために優しくならなあかん」 「ですが、主。私は既に人を……」 「このアホ! アホンダラシグナム! 私かて人様に迷惑をかけたゆうのは一緒や。 罪が償えるいうんは正直私にも分からんよ。 せやけど、罪を償おうとせずに何もしないんは、傲慢や。 それは自分が傷つけてしまった人を、また傷つけて、侮辱するようなもんや。 せやから、私は自分の出来ることをする。せなあかん! みんなのためにも、誰にもこんな自分がした思いをさせないためにも。 シグナムやってそうや。 人を殺してしまうんは許せない行為や。私かて許せへん」 許せない。 その言葉を聞いた瞬間、シグナムの心はえぐられ、 未だかつてないほどの痛みを感じた。 それと共に今更ながらの後悔を彼女は覚えた。 自分は本当に主を裏切り、その道を汚してしまったのだ、と。 でも、それは覚悟していたことだ。 主さえ生きていればいい。 そのために自分が主から見限られようと構わない。 彼女はそう思っていた。 だからこそ、続けてかけられた言葉には思わず耳を疑ってしまった。 「せやから、シグナム、一緒に罪を償っていこう。 何年かかるかもしれへんし、何十年もかかるかもしれへん。 もしかしたら一生かかっても償いきれないものなのかもしれへん。 せやけど、一緒に頑張っていこう、シグナム」 「主は、こんな私とまだ一緒にいてくれるというのですか?」 主の志を知りながら、それを裏切るのだから蔑まされて当然だと思っていた。 もう主は自分には笑いかけてくれない。 もう二度と皆で過ごした幸せな生活は送れない。 人を斬り、その血を見た時にそれを確信した。 もう自分の歩く道に主はいないのだ、と。 それなのに何故、主、八神はやては血に濡れた自分に手を差し伸べてくれるのか。 「シグナムは私の守護騎士で、そのマスターは私や。 自分の子を見捨てるゆうんは私には出来ひんよ」 「ですが……ですが……」 目の前で語りかけてくる八神はやての目の前にして 自分の意思とは関係なくシグナムの目には涙がこみ上げてくる。 騎士としての誇りを捨てた自分を未だに慕ってくれる。 道を外した自分に尚、優しくしてくれる。 思わずそんな主の下に跪いて懺悔したくなる。 自分は間違っていたのだ、と。 そうすればどれだけ楽になれるだろう。 だけど、そんなことは彼女には出来ない。 こんな心優しい主だからこそ、心を鬼にして人を斬らねばならないのだ。 そうでなければ、ここから生きて出られる可能性は低い。 例えそれによって自分が幸せな生活を得られなくなってしまっても。 例えそれによって自分が独りきりになろうとも。 そう、それは絶対に成さねばならないことなのだ。 それなのに、何故、そんな自分の思いを揺るがしてしまう言葉をかけてくれるのか。 「もう無理せんでええよ、シグナム。私はずっと側におるから。なっ、シグナム」 八神はやてはずっと側にいてくれる。 シグナムはそれを聞いた瞬間、今まで戦うために、人を殺すために 張り詰めさせていた緊張の糸が、安心という言葉によって緩んでいくのを感じた。 そしてそれと共に自分は無理をしていたのだと気づかされた。 主と道を違えるのが、どれほどの覚悟が必要だろうか。 大切な人に蔑まされ、罵られ、見捨てられていく。 そんな事は想像するだけでも胸が張り裂けてしまう。 だけど、こんな自分でも主はこれからも側にいてくれるという。 もう二度と手に入らないと思った幸福を再び得ることが出来る。 それに気がついた時には幸せから、安心から彼女の目から涙がとめどなく流れ出ていた。 「すみません、主……すみません、主」 気がつけば彼女はただ頭を垂れ、涙を流し、謝り続けていた。 八神はやてはまだ自分の側にいてくれる。 その優しさに触れた彼女は八神はやてを裏切ってしまったことを心底悔いた。 そしてこうして八神はやての側にいられる幸福が 二度と失われないようにシグナムは精一杯、今という時を噛み締めた。 そんなシグナムを八神はやては優しく抱き締めた。 「もう……こんな泣いている子を放っておけるわけないやろ?」 「すみません、主。すみません、主」 「よしよし」 相変わらず謝り続けるシグナムの頭をはやてはそっと優しく撫で続けた。 「よしよし」 * * 悪魔が目を覚ましたのいつだろうか。 それは誰にも分からない。 ただ確実なことは下らない茶番劇を繰り広げる三人の様子を 倒れながらも目にしていたということだけだった。 そして柊かがみはそれが気に入らなかった。 無力ともいえる子供が二人の大人に守られるような形で笑顔を湛え、幸せそうにしている。 そんなことが彼女に許されようか。 自分の意思とは関係なく殺し合いというゲームに巻き込まれ、 そして自分を心配してくれる子供を殺してしまう。 挙句、信じていた友達にまで裏切られる始末。 そんな最悪を経験した柊かがみにとって、 自分をあざ笑うかのように幸せを享受している人間など 到底許せる範囲に存在していなかった。 「変身」 再びデルタフォンに声をかけるが、反応なし。 しかし、柊かがみはその歪な笑みを崩さなかった。 デルタの効果により活性化された闘争本能に新たな憎しみと怒りが重なり、 柊かがみの身体をより強い闘争心が支配する。 そして純化された闘争心は新たな闘争への道筋を築いてくれる。 おもむろに取り出される王蛇のカードデッキ。 それを通りの向こうにあるガラスに掲げて、彼女はまた新たな戦いへの言葉を紡ぐ。 「変身」 現れたのは紫の鎧を身に纏った仮面ライダー王蛇。 「あー、あいつ、本当にイライラするわね」 首を僅かに傾けながら言葉を吐き捨て、王蛇はカードを手に持つ杖にセット。 ――Final Vent―― ただ彼女のすることは自分を苛立たせる人間の排除。 怪我を負いながらも後ろに現れたベノスネーカーを引き連れて 王蛇は地を這うように駆けていった。 再び敵が立ち上がったことにセフィロスとシグナムは驚きを隠せなかった。 敵の姿こそ変わっているが、現れた場所からして恐らく同じ人物なのだろう。 そして八神はやても驚嘆の声を上げる。 「仮面ライダー? 何でここに?」 彼女の言葉を聞くにどうやら相手の正体を知っているらしい。 それ自体は気になることだが、今すべきことは相手の無力化だろう。 セフィロスは寄り添いあう二人の代わり迎撃に出た。 だが、王蛇は走り寄るセフィロスの前まで来ると、唐突に後ろに高くジャンプ。 王蛇の後を付いてきたベノスネーカーの口元までいくと、 その蛇の口から吐き出された溶解液により前方に押し出され加速。 破壊の体現者はセフィロスの頭上を飛び越えて、八神はやてのの元に向かった。 八神はやてはその瞬間がとてもゆっくりに見えた。 迫りくる仮面ライダー王蛇。 その姿、その一挙一動を事細かに観察することが出来た。 そして自分を庇い、自分の身体を突き飛ばすシグナムの姿も鮮明に……。 「シグナムーーーーーー!!!!」 はやての絶叫を無視して溶解液を纏って繰り出される連続の蹴り、ベノクラッシュ。 一撃目をシグナムは正宗で受けるが、飛び散った溶解液が右目にかかり失明。 痛みを我慢し、突然と塞がった視界にも動揺することなく 二撃目も正宗で受け止めるが、今度は右手に溶解液がかかり、正宗を握る手の力が弱まる。 三撃目も何とか防御に成功するが、受けた衝撃により、思わず正宗を弾かれてしまう。 もうその後のシグナムには敵の攻撃を受け止めることなどは不可能だった。 飽きることなく何十発も繰り出される蹴り。 骨は砕け、内臓は破壊され、溶解液によりシグナムの美しさをも凄惨に壊していった。 そして最後とばかりに思いっきりの憎しみの込められた蹴りをアゴに喰らって シグナムは空高く宙を舞い、アスファルトにその身を落とした。。 「シグナムーー!! シグナムーー!!」 八神はやてが声を荒立て急いでシグナムの元に駆け寄ろうするが それを王蛇が当然のように邪魔をする。 「うるさいって言ってんのよ!! バカッ!!」 王蛇の手により発せられた紫電が無防備な八神はやてを襲い、 その小さな身体を紙のように吹き飛ばした。 「主っ!! 貴様!!」 正宗を杖代わりによろめきながらもシグナムは必死に立ち上がる。 ボロボロとなった顔と身体からは遠目からでも分かるように骨と肉が見え、 そこからは血と肉が溶け合い、グロテスクな液体を絶え間なく地面に滴り落としていた。 そんな怪我では勿論、立つことすら出来ず、生きていることさえ奇跡と言えるものだ。 それでも彼女は双眸を歪めることなく立った。 自分の主を、馬鹿な自分と一緒にいると言ってくれた優しい八神はやてを傷つけられたのだ。 それは絶対に許せることではない。 その思いが彼女に力を与える。 「許さん!! 貴様は…………絶対に許さん!!!」 自分の持てる限りの力を込めて睨み、叫ぶ。 例え身体が壊れようと、傷ついた主を放っておく事など彼女にはできはしない。 だけど、シグナムのそんな行動は王蛇に更なる怒りを注ぎ込むだけであった。 「ホンッット何なの!? みんなみんなみんな!!!! うるさいのよ!! 分かる!? 本当にイライラさせるわね!!」 王蛇は八神はやてからうるさく喚くシグナムの方に向き直り、新たなカードをセット。 ――Final Vent―― 王蛇は後ろに突然と現れたメタルゲラスの肩の上に乗り、 今度はシグナムを殺すべくとどめの一撃を企てた。 だけど場に響いた電子音はそれだけではない。 ――Sonic Move―― セフィロスの持つストラーダがシグナムを助けるべく声を上げる。 セフィロスは再び音速となり、王蛇へと槍を突き立てる。 だが槍が王蛇とメタルゲラスへとぶつかると思った瞬間、メタルゲラスは急加速。 音速で迫るセフィロスを置き去りにして、シグナムへと突進していった。 それを見てシグナムは正宗を腰に構え居合いの態勢に入った。 放つは紫電一閃。 相手を倒すべく自分の魔力を全てを正宗に注ぎ込む。 自分の身体の治療などどうでもいい。そんなのは後で幾らでも出来る。 今はただ相手を倒すことを考える。主を傷つけた愚か者にそれ相応の報いを与える。 無論、殺すことはない。主の道を再び血で汚すことはあってはならない。 だが、完膚なきまでに叩きのめす。 主に手を上げたことを死ぬほど後悔させてやるくらいに。 これは主と共に歩く新たな道のり。そのための第一歩。 殺すなというのは、この相手では難しいかもしれない。 だけど上手く事を運べば、主はまた笑ってくれる。 そして主と共にあの幸せな生活を送ることが出来るのだ。 高速で迫る王蛇に振るわれる居合い、紫電一閃。 例え身体が壊れていようが、例え制限下におかれていようが、 夜天の元に集いし守護騎士、烈火の将、シグナムの技は一点の穢れも、乱れもない。 その一閃は高速を超え、音速を凌駕し、神速へと達する。 振るわれるシグナム最速の居合い。 ――勝った。 自分の最高の一撃の向こうにシグナムは勝利と最愛なる八神はやての笑顔を見る。 だけど、その瞬間、正宗を握るシグナムの指がベノクラッシュによって浴びせられた溶解液により溶け落ち、 刀は無残にも彼女の元から離れていった。 王蛇にぶつかる刀と指を失ったシグナムの右手。 そして――シグナムの胸に大きな穴があけられた。 「シグナムーーーーーーーーー!!!!」 口から盛大に血を吐くシグナムを前に八神はやてのあらん限りの声が夜空に響く。 だけどそれ以上に喚声を上げる者がいた。 「やった!! 勝った!! 殺した!! あはははははははは!!! これで静かになったーーー!!! あははははははははははははははははは!!!!!!!!!!」 柊かがみは初めて勝ち取った勝利に酔いしれた。 やはり自分は強いのだ。 その確信が更に闘争心を高め、彼女の心を高揚させる。 だけど、そんな隙だらけとなった敵を見逃しておくほど セフィロスは甘くはない。 「ストラーダ、フォルムドライ」 ――Unwetter Form―― ストラーダという大きな槍に新たな噴射口が幾つも加えられ、その姿はより禍々しくなる。 それにより一方向にのみ限られていた音速移動がより多角的に可能となる。 だけど、その姿となったストラーダの本来の能力は別の所にある。 「サンダガ」 それはストラーダ本来の持ち主であるエリオ・モンディアルの魔力変換資質を強化する装置。 即ち、雷撃魔法の強化である。 セフィロスにより送り込まれた魔力の雷が、 ストラーダの中を駆け巡り、やがて強大な紫電を形成する。 槍先より漏れ出た光はアスファルトを削り、溶かし それでも満足することなく、辺りを威嚇する。 まるで誰かの死に憤るように、まるで誰かの怒りを表すかのように。 そして更に声を上げるストラーダ。 ――Sonic Move―― 紫電を纏いしストラーダは再び音速となって駆けた。 セフィロスは倒れたシグナムを僅かに見やり、 そしてストラーダを思い切り笑い声を上げる王蛇に叩き込んだ。 音速を超えて一瞬にして繰り出される紫電に輝く四つの斬撃――八刀一閃 その攻撃により王蛇のライダースーツは一瞬にして砕かれる。 柊かがみの身体もその衝撃に耐え切れず、 アスファルトにその身を打ちつけながら遠くに転がっていった。 これで敵は排除した。 しかし八神はやてはそんな事には目もくれず、一心不乱にシグナムの元に駆け寄った。 「シグナム! シグナム!」 「主……ッ」 「シグナム、死んだらあかん! 死んだらあかん!」 シグナムの胸から流れ出る血を必死に手で押さえつけながら、八神はやては叫んだ。 「……す……み……ません」 「いやや! 何で謝るん!? 今の謝るとこちゃうやん!」 八神はやての膝の上でシグナムは涙を受け止めていた。 そんな彼女に過ぎったのは、過ぎ去りし過去のこと。 だけどそれは幸福の日々などではなく、己を苦しめる後悔ばかりであった。 闇の書の蒐集では主の言いつけを無視したことは勿論、 それにより幾度となく家を空けて主に心配をかけたこと。 そしてこの殺し合いにしても主の志を裏切ってしまったこと。 そんな事実が死の際になっても彼女を責め立てた。 こんなものでよく守護騎士と言えたものだ。 シグナムは自嘲する。 一体、自分は主の為に何をしてこれただろうか。 既に血の気を失いつつある頭で彼女は精一杯考える。 だけど、シグナムには八神はやてのために出来たことなど何一つ思い浮かばなかった。 本当に駄目な騎士だな。 心底自分に呆れ帰る同時に、ふと彼女の頭に疑問が過ぎった。 「……ある……じ」 「何や!? 何や、シグナム?」 「足……は……もう…………?」 「何を言うてるん? シグナムやみんなのおかげでこの通りや! シグナムたちが頑張ってくれたおかげで治ったんよ!」 それを聞いてシグナムはやっと笑みを零すことが出来た。 主の命令を無視して開始した闇の書の蒐集。 それによって蓄えられた魔力が本の持ち主に何らかの働きかけを行ってくれたのだろう。 それならば自分は救われる。自分は主の役に立ったのだ。 「シグナム! シグナム!」 涙を流しながら自分の名前を呼ぶ八神はやてのことを嬉しく思いながらも シグナムはまだこれから死にゆく不安を拭えなかった。 だから、彼女は最後の力を振り絞り、声をかけた。 「セフィ……ロス……だっ……たか?」 「何だ?」 「こんな……ことを、頼む……のは、勝手……かもしれん。 どうか……主を……主を…………守って、やっ……てくれ。たの……む」 自分の身体から消えゆく力を必死にかき集め、自分の思いを託す。 だけど、返ってきた言葉はあまりに無慈悲なものであった。 「お前の頼みなど聞く義理はないな」 その答えに表情を失うシグナム。 しかし、それは当然のことかもしれない。 命を奪おうとした相手に自分が死ぬからといって 最後にモノを頼むなど虫が良すぎるだろう。 再び後悔の海にシグナムは沈むが、続けてかけられた言葉に シグナムは表情をほんの少しだけ緩めることが出来た。 「だが、どうやら俺の刀は返してもらえそうだからな。その礼ぐらいはしてやっても構わない」 依然と蒼き瞳は何の感情を灯さなかったが、 その存在はひどく頼もしく思えた。 これで安心して逝ける。 主にはまだヴィータ、シャマル、ザフィーラがいる。 きっと寂しがることもないだろう。 「シグナム、ダメや! せっかく一緒に……頑張っていこうって決めたやないか!」 「すみ……ま……せん」 胸にあいた穴から血がとめどなく流れ続ける。 もう残された時間は後少ないだろう。 なら、最後にどうしても伝えたい言葉がある。 こんな自分を本当の家族として扱ってくれ、 こんな自分に本当の幸せを与えてくれた人に向けて、自分の思いを。 「あ……るじ、あるじ……と……一緒に過ご……せて、本……当に……幸せ……でした」 「うん、そやね! 私も幸せやった。ずっと独りでいて寂しかったけど シグナムたちが来てくれてからは、ホンマ楽しかった、幸せやった。 せやから、これからも一緒に幸せになろう。シグナムも一杯頑張ったもんな。 何も悪いことなんかあらへん。もっと幸せになってええんよ。 そや、まだシグナムに食べさせたい料理があるんよ。 この前テレビでやってたんやけどな、ホンマ美味しそうやったんよ。 大丈夫。心配はあらへんで。シャマルには味付けはさせへんから。 シャマルには悪いけど材料を切らせるだけにしとこか。 それにな、シグナム。シグナムと一緒に行きたいとこが一杯あるんよ。 確かシグナムは温泉が好きやったよな? 今度みんなでどこか行ってゆっくりしてこよか。みんなで温泉に入ったりしてな。 どや、楽しそうやろ? それにな、他にもまだたくさんシグナムと一緒にしたいことがあんねん。 一生かかっても時間が足りないくらいに一杯したいことがあるんよ。 だからシグナム…………お願いだから目を開けてぇな。 そんなんじゃ…………そんなんじゃ…………」 何も応えてくれないシグナムの身体を必死に揺らしながら、はやては呼びかけた。 すぐに目を開けて、いつも通り自分に声をかけてくれる。 それくらいにシグナムの顔は安らかでいた。 だけど、いつまで経っても彼女の目は決して開くことはなかった。 それが何を意味するかに八神はやてが気がついた時 彼女は涙を流しながら、もう一度名前を呼び、叫んだ。 「シグナムーーーーーーー!!!」 * * 八神はやての悲壮な叫び声が響く中で柊かがみは意識を取り戻し、笑っていた。 人を殺した。自分を手こずらせる相手に勝った。 その達成感と充実感は未だ彼女の心を支配してやまなかった。 もう彼女の身体は度重なる戦闘によって重傷とも言える怪我を負っている。 幾らライダースーツを身に纏っていたからといって、 全ての衝撃を緩和できるわけではない。 胸部は打撲と骨折が甚だしいし、その他の場所にしても無事な所は数少ない。 それほどセフィロスとシグナムの攻撃は苛烈だった。 だけど勝利による陶酔感、そしてそれによって漲る闘争心は どんな怪我の痛みも、どんな身体の疲労をも忘れさせてくれる。 そしてその不死身の身体が自分は最強なのだと確信させてくれる。 だから、彼女は笑った。 笑いながら再び立ち上がった。 勝利を得るために、人を殺すために。 そして彼女はそのまま笑いながら、残る二人の獲物に向かって走っていった。 セフィロスはかがみの姿を確認すると、ストラーダを地面に突き刺し シグナムの手を離れた正宗を拾い上げた。 未だシグナムの死体にすがり付いている八神はやてを見るに このまま逃げるというのは難しいだろう。 だが、もとより彼に逃げるという選択肢はない。 それに正宗が手に入った今ならどんな敵にも遅れを取ることはない。 呆れるほどしつこい目の前の敵にしても手足の一、二本切り落とせば静かになるだろう。 セフィロスは悠然とかがみに向かって歩いていった。 八神はやてはもう二度と経験したくないと思っていた家族の死によって悲しみの底に沈んでいた。 涙は枯れることなく絶えず流れ続け、胸も数えくれないくらい張り裂け、 その度に心に痛烈な痛みと苦しみを与えていた。 だけど、彼女の目は決して下ばかりを見ていたわけではない。 そんな辛い状況だからこそ、彼女の意思はたった一つのことに燃えた。 そしてそれに呼応するかのようにバッグから光が漏れ、 その持ち主である八神はやてに語りかけた。 その言葉が何を意味するのかは分からない。 だけど、彼女には不思議と確信があった。 それは自分の味方になってくれる、と。 だから彼女はそれを手に取り、名前を呼んだ。 自分の思いを実行するために、自分の願いを叶えるために もう誰にも決して、決して悲しい思いをさせないために。 「マハーーーーーーーーーーーーッ!!!」 その眩いばかりの光が空間を覆う。 はやての呼びかけによって目の前に現れた紫の剣を抱きしめ、彼女は再び叫ぶ。 「もうみんな、戦うのやめてーーーーー!!」 そして彼女は自分の願いを叶える為の魔法の言葉を紡ぐ。 「妖艶なる紅旋風」 轟然たる風がはやての周りを渦巻き始め、やがてそれはエリア全体に至る。 その風に気がついた瞬間、セフィロスの、柊かがみの視界は真っ赤に染まった。 触れるもの全てを切り裂く薔薇の花びら。 それはビルを壊し、家屋を崩壊させ、アスファルトを削りながら その場にいる全てのものに容赦なく襲い掛かった。 勿論、その魔法は非殺傷設定であるために、人に傷を与えることはない。 だけど、それによる魔力ダメージは健在。 魔導師ランクSSの八神はやてによる魔法。 それはロストロギアであるレリックを埋め込められた人造魔導師にも到達出来なかった境地。 オーバーSランクの魔法攻撃をカートリッジによって魔力補強、威力増強することなく連発できるほどの桁外れの魔力。 それが全てマハに注ぎ込まれ、八神はやての思いを体現する。 そしてその空間全ては薔薇と風に覆われていった。 * * アレックスは八神はやてに逃げられた後、結局彼女を追いかけることにした。 シグナムとセフィロスを正面から相手取るのは不可能。 だが、殺し合いに乗っている以上、いずれは排除すべき相手。 それならば、と彼は一つの結論を出した。 即ち、少女を囮にして、あの二人をブリューナクの槍で射殺す。 無論、少女も巻き込まれて死ぬ可能性もあるが リターンの大きさを考えれば、十分にやる価値はある。 そう思いアレックスは少女に、そしてシグナムとセフィロスに気づかれぬよう 遠く建物の影に隠れながら、彼女を追いかけていった。 そして彼がようやく三人のいる場についた時、事態は一変した。 突如として訪れる風と薔薇の花びら。 それを何者かの攻撃によると判断した瞬間、アレックスは即座にARMSを起動。 ARMSより高出力の電撃を発生させ、迫り来る花びらを焼き払う。 だが、片腕を失った彼に四方からだけでなく、八方からも押し寄せる攻撃を回避できる術はない。 止むことのない激烈な攻撃に耐え切れなくなったアレックスは 堪らず近くにあったビルの中に逃げ込む。 しかし、彼がそれが失策であると気がついた時には、もう遅かった。 ビルは花びらによって瞬く間に刻まれ、ビルを形成していた全てのものは アレックスの上に降りかかってきた。 「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 彼の身体は薔薇の花びらとビルの残骸に埋もれていった。 【1日目 黎明】 【現在地 F-3】 【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】 【状態】気絶、疲労(大)、左腕欠損(再生中) 【装備】なし 【道具】支給品一式、はやての車@魔法少女リリカルなのはStrikerS、サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、 ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本 この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる 1.気絶中 2.機動六課隊舎へ向かう 3.六課メンバーとの合流 4.キース・レッドに彼が所属する組織のことを尋問 5.キース・レッドの首輪の破壊 【備考】 ※身体にかかった制限を把握しました ※セフィロスはゲームにのっていると思っています ※幼はやては管理局員だと思っています ※幼はやてはセフィロスに騙されて一緒にいると思っています ※キース・レッド、管理局員以外の生死にはあまり興味がありません ※左腕は朝までには再生すると思われます ※参加者に配られた武器には、ARMS殺しに似たプログラムが組み込まれていると思っています ※殺し合いにキース・レッド、サイボーグのいた組織が関与していると思っています * * 「もうみ……んな………………ん」 制限のせいだろか、彼女の意識は魔力の急激な消費によって途切れた。 彼女の周りには既に誰もいない。 赤い嵐によって人も物も全て吹き飛ばされ、ただ廃墟が残るのみであった。 だが、そんな中でやがて一人の男が立ち上がり、遠く離れた八神はやての元までやってきた。 魔法の攻撃により彼の髪はひどく乱れ、仮面のようなそ顔にも疲労が滲んで見えるようだった。 八神はやての魔法をくらって立ち上がれたのはただ一人。 それは彼女と同じ魔導師ランクに位置されたセフィロスであった。 彼はシグナムの上で眠るように安らかな息をたてる八神はやてを拾い上げると、 時折膝を折りながらも、再びゆっくりと、そしてしっかりと歩き始めた。 それを見送るシグナムは何も言わない。 だけど、彼女の顔は後悔にも憤怒にも歪むことなく、ただ静かに、満足げに目を閉じていた。 それがセフィロスには忌々しく、何よりも不愉快だった。 【シグナム@魔法少女リリカルなのはA's 死亡】 【残り人数:54人】 【1日目 黎明】 【現在地 F-3】 【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(大)、魔力消費(極大) 【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式×3、バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、ランダム支給品0~5個 【思考】 基本 元の世界に戻って人類抹殺 1.八神はやてを安全な場所へ連れて行き、休息する 2.八神はやてから仮面ライダーの情報を得る 3.八神はやてにアレックスの行方を訊ねる 4.八神はやてが目を覚まし、自身の身体もある程度回復したら、共に機動六課隊舎へ向かう 【備考】 ※現在行動を共にしている八神はやてが、本物の八神はやてであると認識しました ※機動六課でのことをはやてに自ら話すつもりはありませんが、聞かれれば話します ※身体にかかった制限を把握しました ※アレックスが制限を受けていることを把握しました ※八神はやてが無事なことから、アレックスはゲームにのってないと判断しました ※殺し合いを止めるというスタンスは尊重するが、不可能と悟った時には殺すことも辞さない つもりです ※参加者同士の記憶の食い違いがあることは把握していますが、特に気にしていません 【八神はやて(A's)@仮面ライダーリリカル龍騎】 【状態】疲労(大)、魔力消費(大) 【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、憑神刀(マハ)@.hack//Lightning 【道具】支給品一式、ランダム支給品0~1個 【思考】 基本 殺し合いを止め、誰にも悲しい思いをさせない 1. シグナム…… 2. 何で仮面ライダーが……? 3. 仲間たちと合流 【備考】 ※セフィロスが自分を知っていることを知りません ※憑神刀(マハ)のプロテクトは外れました 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】疲労(大)、肋骨数本骨折、全身打撲、一時間変身不可(デルタ、王蛇) 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、デルタギア一式@魔法少女リリカルなのはマスカレード 【道具】支給品一式×3、ランダム支給品0~6個 、デルタギアケース@魔法少女リリカルなのはマスカレード 【思考】 基本 みんな殺して生き残る! 1. 気絶中 2. 幼はやてとセフィロスを殺す 3. エリオやなのはの気持ちを無駄にしないためにも戦う 【備考】 ※なの☆すた第一話からの参戦です ※デルタギアに適合しなかった後遺症として、凶暴化と電気を放つ能力を得ました ※デモンズスレートによる凶暴化は数時間続きます ※ユーザーズガイドを読めばデルタギアの全てを理解することが出来ます ※ベノスネーカーとメタルゲラスは回復中です。餌を食べれば回復は早まります ※王蛇のカードデッキには、未契約カードがあと一枚入ってます ※参加者名簿や地図、デイパッグの中身は一切確認していません ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし、何かのきっかけで思い出すかもしれません ※自分が最強だと思っています ※高揚する闘争心により怪我の痛み、身体の疲労を感じていません ※柊かがみは八神はやての魔法「妖艶なる紅旋風」によりF-3のどこかに吹き飛ばされました ※F-3にある建造物は橋を含め、「妖艶なる紅旋風」により全て破壊されました ※「妖艶なる紅旋風」は周囲一マスにあるエリアで確認出来たかもしれません 【支給品情報】 ※アンカーガン@魔法少女リリカルなのはStrikerS はティアナの死体ごとベノスネーカーに食べられました ※ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS は「妖艶なる紅旋風」によりF-3のどこかに吹き飛ばされました Back Little Wish(前編) 時系列順で読む Next 盟友(前編) 投下順で読む Next 盟友(前編) 八神はやて(A's) Next 虚 セフィロス Next 虚 アレックス Next 光が紡ぐ物語 柊かがみ Next 光が紡ぐ物語 シグナム GAME OVER
https://w.atwiki.jp/ga-rand1310/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/706.html
前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 子供が森を走っていた。 男の子だ。 たぶん学院の周りにある森のどこか。 秘薬の授業で行った覚えがある。 走って走って走って走る。 息を切らせた男の子が立ち止まる。 よく見ると腕から血を流している。 怪我をしているようだ。 男の子は周りを見回す。 なにかを探しているのだろうか。 動きが止まる。 なにかを見つけたのだろうか。 男の子は突然赤く丸い宝石を持ち、手を伸ばす。 溢れる光が魔法陣を作りだす。 今度は男の子が見ている方から音がした。 なにかは解らない。 2つの目だけがぎらぎら光る獣のようなもの。 それが男の子に向かい突進してくる。 危ない、と思った。 でも少年は動かない。 かわりに呪文の詠唱を始める。 「たえなる響き 光となれ 許されざる者を 封印の輪に」 獣が男の子に飛びかかる。 「ジュエルシード封印!」 獣が魔法陣にぶつかった。 光が強くなる。 魔法陣の魔力が吹き出す。 木を揺らし、獣が引き裂きさかれていった。 だけどそれだけ。 獣は弱った体を引きずりながら逃げ、男の子は膝をつく。 「逃がしちゃった。追いかけなくっちゃ」 男の子は倒れる。 動かない。 だけど、その子の声は聞こえた。 「誰か、僕の声を聞いて……力を貸して……魔法の力を」 男の子が光に包まれる。 やがて光は消え、男の子のいたところにはフェレットと赤く丸い宝石があった。 「……変な夢」 寝ぼけ眼で朝起きたルイズの第一声がそれだ。 なんであんな夢を見たのか解らない。 フェレットも、宝石も、男の子も、獣も、どれも聞いたこともないし見覚えもない。 第一あの言葉 「力を貸して……魔法の力を」 あれはなんなんだろう。 「私の夢で言わなくてもいいじゃない!私の……夢で」 落ち込みかけた気分を顔を思いっきり回して振り飛ばした。 今日は大切な日、春の使い魔召喚なのだ。 そのためにルイズは身支度を調えると、召喚の場へと走った。 みんな召喚を終わらせていく。 ルイズは最後だったが、自分の番が近づくたびに心臓が大きく動いていくのを押さえられなかった。 犬、猫、土竜、バグベアード、サラマンダー。 中には竜を召喚した者までいる。 みんなうまくいってる。 ──でも、でも私は…… 「ミス・ヴァリエール」 突然、教師のミスタ・コルベールに呼ばれぼうっとしていたルイズは辺りをきょろきょろ見回した。 「なにをしているのです?あなたの番ですよ」 ルイズを笑う声があちこちから聞こえてくる。 「お、ルイズが召喚するぜ」 「どうせ、できないよ。ゼロだからな」 そんな声をルイズは無視して広場の真ん中まで歩いた。 「さあ、始めなさい」 ルイズはうなずく。 いつも失敗している魔法。 でも、今日だけは成功させないといけない。 深呼吸をして目をつぶる。 杖を突き出し、精神を集中。 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!」 いつもとちがった。 魔力が集まっていく。 「強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 」 使い魔のイメージまで見えてくる。 思っていたのとは違うみたいだが、それでもそのイメージを放さない。 「私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 異国の言葉が聞こえた。 「all right.」 「え?」 爆発が起こった。 いつもの爆発。 「あ……」 だけど今日は違っていた。 爆発の後には首に宝石をかけた薄い黄色のフェレットが一匹。 「できた……私の使い魔、召喚できた」 ルイズは駆け出し、フェレットを抱き上げる。 「つぎは……そう、コンストラクト・サーヴァント」 「待ちなさい!」 ミスタ・コルベールに止められた。 「君の使い魔は弱っているようだね。コンストラクト・サーヴァントは待ちなさい」 よく観るとフェレットは怪我をしている。 それに、息はしているが動かない。 「コンストラクト・サーヴァンは使い魔が回復してからにしなさい。薬を用意しよう」 「はい」 「他のみんなは、教室に戻りなさい」 返事をした生徒達は未だ落ち着かないルイズを残し、フライの魔法で空を飛んで教室に戻っていく。 「使い魔、ちゃんと治せよ」 「わかってるわよ」 いつもと変わらない気の強そうな目でルイズは空を飛ぶ生徒を見返していた。 「なにをしてるんだね。早く来なさい」 ルイズは自分の召喚したフェレットをしっかりと抱きしめ、コルベールの後を追った。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/264.html
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 人間/女/19歳 声優:植田佳奈 短く切り揃えた茶髪。とても小柄な体格。 本来は温和で茶目っ気のある、家族愛に溢れた性格。だが現在はそれが裏目に出て、家族の為ならば如何なる非道も行う冷徹な性格となっている。ただし、それもかなり無理をしている状態。 時空管理局に所属、ヴォルケンリッターを率いる最後の夜天の主として知られる実力者。 本編が始まる1年前にゴジラと交戦、その際に多くの同僚を失い、また家族であるシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラをゴジラ封印の媒介として失っている。 彼等が死ぬ前に取り戻す為、対ゴジラ戦力として10の怪獣達を使い魔にしようとしている。 原作の更に未来、という設定である為、生い立ちや能力に変更点は無し。ただし、性格がかなり歪んでいる。 面識のある参加者との関係 なのは&フェイト…………無二の親友。ただし、自分の方針とぶつかる事も多かったのでやや疎遠気味。 ヴォルケンリッター4名…………何が何でも取り戻したい大事な家族。 スバル&ティアナ&エリオ&キャロ…………自分の部下。 戦闘力分類…………準超人。 特殊能力…………リインフォース、或は闇の書の機能を支配する“管理者権限”。 技能 古代ベルカ式広域攻撃魔法…………リインフォースを用いる事で発動される、広域攻撃型の魔法。 収集行使…………他者のリンカーコアを吸収する事でその技能を複写する稀少技能。 制限…………技能で挙げた2つの能力はいずれも『闇の書』『リインフォース』が無ければ発動出来ない。
https://w.atwiki.jp/briah/pages/617.html
カセに現れた救世主。 第三のGreenDays。 http //fesns.com/?m=pc a=page_c_home target_c_commu_id=5579 長きにわたる敗戦 滅亡の危機 そんな事態に幼女たちは立ちあがった 戦いたくなんてない、でもカセを守りたい 奪うのでなく、守るための力 それは、魔法と学業が並行する日々のスタート 魔法幼女リリカルなのら、はじまりますっ! カセ復興部隊()笑
https://w.atwiki.jp/nanohainnocent/pages/2.html
メニュー トップページ メモ帳 システム マイショップ誰かとお話しする VSデュエル LIVEデュエル トレーニング ストーリー バインダーボーナス ログインボーナス デバイスパーツ レベル イベント エリア攻略 海鳴市ショップツアー 初心者講習 in 八神堂 初心者講習 in グランツ研究所 初心者講習 in ホビーショップT H 藤丘町ジュニアクラス 暁町ジュニアクラス 海鳴市ジュニアクラス 藤丘町ノーマルクラス 暁町ノーマルクラス 海鳴市ノーマルクラス 藤丘町エリートクラス 暁町エリートクラス 海鳴市エリートクラス 海鳴市内総合選抜 第1回BDチャンピオンシップ カードリスト リライズ ミッドチルダ ベルカ インダストリー 更新履歴 取得中です。 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/641.html
救済N/Destiny's Play ◆7pf62HiyTE Chapter.04 Destiny's Play 「……別の人に変身する魔法はありますし、スカリエッティの戦闘機人の中にも変身能力を持っていた人がいました」 「……わかった」 かがみが意識を取り戻した時、真っ先に聞こえてきたのはそんな会話だった。 「あ……あれ……私……? それにここは……?」 周囲を見回すとそこは森の中。 「あ、気が付いた? 天道さん、かがみが目を覚ましました」 と、なのはと天道は足を止めた。今現在かがみはなのはの背に背負われている状態だ。 「……あれ……それじゃあさっきまでのは……?」 状況を把握し切れていないかがみを余所になのはは彼女を降ろす。一方で天道は周囲の警戒を行っている。 「う……痛……」 と、地面に降ろされたものの両手足に激痛が奔り上手く立つことが出来ず腰を下ろした。 「大丈夫? このカードを使えば……」 と、なのははかがみにデュエルディスクの使い方を説明し、かがみは手際よくセットされているカードを発動した。それにより大分痛みが和らいだ。もっとも手足の違和感まではまだ完全には治らないが。 「あの……なのは……」 「ねぇ、今までに何が起こったか覚えている?」 「うん……あの関西弁のあの子に斬られた後……なのは達が……そうだ、こなた達は!?」 「大丈夫、今さっき放送があったけどこなたの名前は呼ばれなかったよ」 「お願い急いで! 早くしないとこなたがあの子に……!」 かがみの言い分では急がないとはやてにこなたが殺されるらしい。それが確かならば急がなければならないが、 「落ち着いて、今までに何があったのかもう一度話してくれる? 私と別れた後、一体何があったのかを……」 「それは……」 「あの時も言ったけど、辛い事は今度こそ私が受け止めるから……」 それはこの場で最初に出会った時と同じ真剣な眼差しだった。 「うん……あの後……」 そしてかがみはあの後に起こった事について語り始めた。ベルトの力に呑まれ暴走しなのは達と別れた後、銀髪の男性とシグナム、他1人の男性が戦っている現場に出くわし彼等に戦いを仕掛けた。 その後、かがみ自身はあっさり倒されたものの気が付くと銀髪男性、シグナム、そして関西弁の少女が和解する会話が聞こえた。どうやらシグナムと関西弁の少女は家族だったらしい。 「はやてちゃんだ……」 「でもそれを私は……」 が、それに苛ついたかがみは攻撃を仕掛けシグナムを惨殺、そしてはやてが手にした小刀の力によりかがみは再び倒されたのだ。 意識を取り戻した時にようやくベルトの力が切れ正気に戻っていたもののその時Lに拘束されており、ベルトもデッキもLに奪われていた。その後Lの所から何とか逃げ出したもののモンスターに追いかけ回されたことを語った。 そして何とか万丈目と遭遇したが彼の持っていた千年リングに宿るバクラによると彼は眼帯の少女を襲った危険人物と語っていた為、彼の持っていたデッキのモンスターの餌にしようかと目論んだが逆にデッキを押しつけられ逃げられた。 これまでに多くの人々に痛い目に遭わされ決定的な裏切りを受けた事で皆殺しにする事を決めたと語った。 その後、参加者の1人に襲いかかったがそこでタイムリミットを迎え餌にされそうになったものの銀色の巨人メビウスによってモンスターが倒された事で何とか助かったのだ。 メビウスから逃げ出した後、Lに奪われていたデイパックを運良く回収出来デッキもかがみの手に戻った。かがみは生き残るため参加者を皆殺しにしようとバクラの助言に従いつつエリアの端を超えてホテルに向かった。 その後ホテルからデュエルアカデミアに向かいスバル達と遭遇・襲撃しその際に眼帯の少女をモンスターに喰わせ殺した。 スバルに逃げられた後、煙の立ち上ったレストランに向かいそこで漆黒の鎧姿と緑の怪物の2つの変身体を持つ男性と浅倉と戦ったものの惨敗し浅倉にデッキを奪われた。 なんとかあの場で別の変身ベルトを手に入れ助かったが、ホテルに戻った後いきなり奇妙な場所に引き込まれた。 「かがみもあそこに……」 そこで浅倉によってつかさを目の前で惨殺されかがいは自暴自棄になり戦った。その後気が付いたら再びホテルに戻りヴァッシュと遭遇。 かがみはヴァッシュを利用しようと思い、後からやって来たスバルと戦わせた。そして自分と緑の怪物に変身する男の計4人を交えての乱戦になり敗れ、 「気が付いたら目の前にあの時の女の子がいた……それで……刀を突き付けられて……」 洗いざらい喋らされ、お前がシグナム達をを殺したんだと両手足を斬られ更に腹を刺されたと語った。 ちなみに今回なのはに語った内容はかがみの主観によるものではあるが、かがみ自身による一方的な決めつけによる要素は少なくなっており、自分から襲った部分に関しても概ね事実を述べている。 「そこに私達が現れたと……」 正直な所、同じ24時間でここまで悲惨な経験をしているとは予想外だった。遠くから周囲の警戒をしながらかがみの話を聞いていた天道の表情も真剣そのものだ。 一方のなのはもかがみの話には色々と思う事はある。 正直な所謝罪されても許されない部分は多分にある。幾ら状況がそうさせたといっても不可抗力と言って良いのはメビウスを襲った所までだ。 それ以降――チンクを殺しスバル達を襲った辺りからはそういった言い訳は通用しない。バクラの存在があったとしても最終的に行動を起こしたのはかがみである以上、当然彼女にも責任はある。 「……幾つか確認して良いかな? スバルはかがみをどうしようとしていた? スバルは一方的にかがみを襲ったの?」 「それは……」 かがみはスバルの言葉を思い出す。 『こなたは言ってました……貴方は怒りっぽいけど、根は優しい人だって……だから……』 『……こなただって、諦めずに戦ってるんだよ……それなのに』 『それでも、こなたがかがみさんの友達だって事に変わりはないでしょう!? 自分の世界の、自分の知る相手でなくとも、変わらず接してくれた人を、私は知ってる!』 何度と無く殺そうとした自分に対しずっと説得を続けて来た。あの時は口喧しい言葉だと思っていたが彼女はずっと自分とこなたを再会させようとしていたのは理解出来る。それを自分は…… 「違う……スバルはずっと私を説得してこなたと私を再会させようとしてくれた……」 「そっか……」 実の所、なのはははやてやフェイトが危険人物になっているという話を聞いて不安な気持ちで一杯だった。 普通は有り得ないと斬って捨てる事だがこの状況どうなっているかは未知数、更に言えばはやてががかみを拷問する事実が余計に不安にさせた。 もしかしたらスバルやユーノも危険人物になっているのではないかと……本人が聞いたら怒りそうな事を内心で考えたのだ。 だが、かがみの言葉が確かならばスバルはずっと諦めずに戦い続けていたという事になる。ならば彼女の憧れの対象である自分もそれに応えなければならないだろう。 「もう一つ聞かせて……かがみははやてちゃん……その関西弁の女の子に何か言わなかった?」 はやてがかがみを拷問した事は恐らく紛れもない事実だろう。シグナムの家族でなおかつ関西弁を話し自分の事を『なのはちゃん』と呼ぶ者など彼女しかいない。 しかし、幾らシグナムを殺したとはいえヴィータならばともかくあのはやてが復讐のために一方的に拷問するとは思えなかった。 勿論これは自分の色眼鏡も多分にあるのは承知している。それでもここまでの凶行に至ったのは他に決め手がある様に思えた。 「……そういえば自分の行動を悪いと思っているのか聞いてきたけど……でも私は……自分は悪くなくてスバル達が悪いって……」 そう答えるまでは本心はどうあれ脅し程度にしか小刀を使わなかったが、以降は憎悪を隠すことなく怒りをぶつけてきた。 「はやてちゃん……」 はやての行動はやり過ぎ、それは変わらないもののそういう受け答えをされれば彼女が怒るのもある意味仕方がない。何しろ、自分自身そうやって返されて憤りを感じないわけがないのだ。 しかし、やはり友人だからこそはやての行動には何処か腑に落ちない点がある。 本当に復讐ならばいっそひと思いに殺せば良いのに何故死にかけの状態で放置したのだろうか? それ以前に復讐が目的だったのだろうか? だが、かがみからの証言ではこれ以上はわからない。こればかりははやて側の言い分も聞かなければわからないだろう。 「最後にもう1つだけ質問させて……はやてちゃんに聞かれた質問、あの時はそう答えたんだろうけど……今ではどう思っているの?」 「……」 暫しの沈黙……かがみの脳裏にはこれまでの出来事が浮かび上がる。流石に浅倉や万丈目の事等に関しては素直に認められないものの、シグナム達3人を殺した事やスバル達に仕掛けた事に関してはそうではない。 「私が……悪かった……と思う」 「じゃあ、かがみはこれからどうしたい?」 「……あの子……はやてって人や、エリオ達の友達、それにスバル達に謝りたい……今更許して貰えるなんて思えないけど……それから、こなたにも……」 その言葉通り、再び出会った所で復讐されるだけかもしれない。それでもそれがかがみの心からの答えだ。それを聞いたなのはは、 「わかった。大丈夫だよ、例えはやてちゃんがかがみを殺そうとしても私はかがみの味方、絶対に守ってみせるから」 笑顔でそう答えた。はやての真意が何であったとしても、かがみがシグナム達を殺すという許されざる罪を犯したとしても、その為に彼女が殺されるなんて誰が何と言おうとも、それが当事者のはやてであっても認めることは出来ない。 勿論、なのは自身かがみの罪を許す事は出来ない。それでもかがみがその罪と向き合い生きていこうとするならばそれを支えていきたいと思う。 ――それが彼女をここまで追いつめる切欠を作ってしまった自分に出来る事なのだから。 どれぐらい時間が経過しただろうか? まだ放送から20分も経過していないぐらいだろう。 かがみの証言から考えはやて達がF-9にあるホテルから北上したのは確か。そして会場のループを使いかがみをD-1に置き去りにした事を踏まえはやて達の集合場所はループ地点であるD-9に近いC-9のスカリエッティのアジトと言った所だろう。 なお、スーパーに向かったという話だが先程まで自分達が戦っていた危険な場所なのでその部分ははやてがすぐにアジトに向かわせるのを避ける為の偽装だろう。 早急にそこに向かいはやて達と合流しその後ヴィヴィオを助ける為にゆりかごへ向かわなければならない。 しかし状況は芳しくない。生き残っている参加者は残り12人。なのは、天道、かがみを除けば残り9人、 この場においても無力な参加者を守りこの殺し合いを打破するために戦っているスバル、 なのは自身が魔法と出会う切欠を与えたユーノ、 聖王となって暴れてはいるが何とかして助け出したいヴィヴィオ、 友人ではあるがかがみに対する凶行の真意が気になるはやて 善良な性格らしいが暴走する力が気に掛かるヴァッシュ、 かがみの友人でスバルがずっと保護していたらしいこなた、 別れた後の動向がずっと不明瞭で信用しがたい金居、 自分達を掻き回し殺し合わせ様とするキング、 妹達を殺され修羅の道に落ちたアンジール、 それ以外の者は皆死亡した。それについて思う所はあるが今はそれについて想いを馳せる余裕はない。 9人の内味方及び保護すべき対象と言えるのはスバル、ユーノ、こなたの3人、 危険人物ではあるが何とか助け出したいのがヴィヴィオ、 一応味方といえるが完全に信用出来ないのがはやて、ヴァッシュ、金居の3人、 出来うる事ならば説得したいが厳しいと思われるアンジール、 そして最悪の敵とも言うべきキング。 この中で現状明確な危険人物はヴィヴィオ、アンジール、キングの3人。なのはとしては当然ヴィヴィオは助けるつもりであったし前述の通りアンジールも出来れば説得したい。 しかしキングだけは確実に打倒しなければならない存在と言えるだろう。殺さなければならない相手と言って良い。 殺しをする事に抵抗が無いといえば嘘になるしそれが受け入れがたい事に変わりはない。それでもキングの為に何人もの参加者が死に更に殺し合いを煽ろうとしている以上殺すという選択もやむを得ないだろう。 一方で金居に関しても気になる所がある。金居の言動を思い返した所、銀色の鬼やペンウッドを疑ってかかっていた。 憤りは感じるもののそう思う事自体は問題ではない。しかし情報を纏めた所銀色の鬼ことミライやペンウッドが悪人という事はなかった。 勿論、金居が知り得ない事であり警戒心が強かったからと片付けられないこともない。しかしどうにも学校でのやりとりは完全に金居が主導権を握っていた事から踏まえても何かが引っかかるのだ。 そう、まるで金居が自分達の間に不和を起こして分裂させる事を狙うかの様に……勿論これだけならば趣味の悪い妄想だろう。 だが、ある一件が気になるのだ。かがみから聞いた所デッキには説明書が付属していたらしい。しかしなのは達もデッキを手にしてはいたが説明書は存在しなかった。 C.C.が持っていたデッキの説明書はフリードリヒによって使用不能になったとして、自分達が学校で手に入れたデッキの説明書は何処に行ったのだろうか? デイパックはそのまま残っていたから中に残っているのが自然だ。だとすれば――誰かがなんらかの理由で処分したという可能性がある。 状況から考えて学校でデッキを使っていた人物はクロノと考えて良い。しかしあのクロノが説明書を処分するとは思えない。では処分した人物は誰なのか? 説明書を処分しなければどうなるのであろうか? 説明書にはモンスターに生きた参加者を喰わせなければ所有者が喰われるとあったらしい。それがあったからこそ万丈目はかがみにデッキを押しつけたのだろう。 それを知らずに平然と持っていれば持ち主がモンスターに喰われるだけという事だ。 なのはとペンウッドはそれを知らずにデッキを持っていた。放置すれば自分達が餌になるのは言うまでもない。つまり、説明書を処分した人物は2人を死なせる事を狙っていたという事だ。 そしてその容疑者はあの場で別行動をした弁慶と金居のどちらかに絞られ、言動などから考慮して金居がそれを行った可能性が高い。 金居は表向き自分達に協力してくれていた。しかし、味方の中に入り込んで内部から潰すという手法は存在する。 金居は本当は優勝を狙っていたのではなかろうか? いや、出会った当初はともかく放送を聞いたことで優勝狙いに切り替えた可能性もあるだろう。こちらが動揺している間に色々仕掛けていたということだ。 以上の事は推測レベルの話、確たる証拠があるわけではない。勿論、出来うる事ならば信じたい所だ。しかし思考停止し無条件に信用して取り返しの付かない事になるのだけは避けなければならない。 何にせよ、金居をこのまま味方として信用する事は避けるべきだ。もしかしたらアンジール、はやて、ヴァッシュ以上に危険な存在かも知れない。 「天道さん……」 移動を再開するため近くで周囲を警戒していた天道に声を掛け、 「話は聞いていた。それより、動けるのか?」 「私なら大丈夫だから……お願い、こなたを……」 かがみ自身生きていたいと思っても今更許されるとは考えていない。再びはやてと再会した所で殺されても文句は言えないだろう。 だが、自分の行動が原因でこなたが殺される事は望まない。せめてこなただけは助けて欲しい、それがかがみの本心である。 なのははそんなかがみの言葉を聞いてかがみ自身本当は優しい子だと感じだ。だからこそこなたは勿論のことかがみも助けようと思う。例えはやてと対立する事になってもそこを譲るつもりはない。 「わかったよ……でも、こなたはかがみが死ぬことを望んだりしないよね? だから……」 「うん……私も諦めない……」 とはいえまだ完全回復には至っておらず、それ故なのはに背負われている状態だ。それでも、彼女の言葉からは確かなる意志が現れていた。 そしてここ暫くの間殆ど沈黙を保っていた天道も只沈黙をしていたわけではない。 そもそも当初の予定では放送を聞いた後、かがみの意識が戻り彼女から事情を聞いてから移動を始めるつもりだった。しかし実際はかがみ覚醒時にはすでに移動途中だった。 天道が移動を前倒しした切欠は漠然としていれば見落としかねないある事が起こったから。それは0時丁度になっても放送が始まらなかった事だ。 天道自身最初の放送は聞き逃していたが2度目と3度目の放送は共に12時、18時丁度に行われた。にも関わらず今回は0時丁度から2、3分過ぎても放送が始まらなかった。 何故これまでは定時に行われた放送が今回に限って行われなかったのか? 定時に放送を行えない事情があったのではないのか? つまり、主催側でこのデスゲームに関わる重要な事が起こった可能性だ。 となればこのまま只時間を潰すのは得策ではない。状況が大きく動いたのならば急がなければならない。最悪殺し合いをやっている事態では無くなっている可能性もあるのだから。 故に移動を前倒しする旨を話しなのはもそれに賛同し移動を始めたのだ。動くとなればその足は速く早々に西端を越えて仮説通り東端の森に到達した。 そのタイミング、定時より10分遅れて4度目の放送が流れた。放送自体はプレシアが行っておりその内容に特別な情報は何も無かった。 いや、『特別な情報は何も無かった』事こそが異常であった。 定時より10分遅れての放送にも拘わらず仮眠を取ったから自分が行うという話だけで遅れについては何も言及していない。これまで厳密に行ってきた割にあまりにずさんではなかろうか? 遅れるにしても一言程度でも言及する方が自然だ。 そもそも本人が定時に行えない事情があるならば前回の放送同様、オットー辺りに放送を任せれば済む話だ。本人が出て直接何かしたわけではないのだからそれで十分事足りる。 では、なぜ10分遅れてでもプレシア自身で放送を行わなければならなかったのか? 少なくても前述の通りプレシアが行う必然性はない。 が、ここで見方を変えてみよう。放送を行う人物は『プレシアでなければならなかった』と考えればどうだろうか? 主催がプレシアである以上、プレシア以外が行ってもプレシアは健在だとだれもが考える。しかし、今回に限ってはプレシアの存在を無理にアピールしているかの様に思える。 そう、まるで『放送を行っているのはプレシアです。何も問題はありません』と無理に見せているかの様な――それが意味することは1つ、『放送を行ったのはプレシアの姿を借りた誰か』という事だ。 つまり、何者かがプレシアの姿を借りて放送を行ったという事だ。そうまでしてプレシアが健在であるかの様に見せるという事は―― 主催側で何かが起こり、プレシアが主催の座から転落した―― 天道がその仮説に至れたのは彼の世界にいるワームの存在があったからだ。ワームは人間に擬態する能力を持っておりその際に記憶や人格をも引き継ぐ――そう、肉親が実はワームだったという話もあり得るという事だ。 つまり、放送を行った者はプレシアに擬態したワームという可能性もあるという事だ。 もっとも、天道の世界の常識だけで物事を計ってはならない。天道はなのはに全くの別人に偽装する能力や魔法が存在するかどうかの確認を行った。 なのは自身も放送の異常は感じており、天道の問いかけで彼女も同様の仮説に至る事が出来、天道に変身魔法の存在及び、スカリエッティの戦闘機人の中に変身能力を持つドゥーエがいる事を話した。 これにより、主催側の異変・プレシアの転落の可能性が非情に強まった事になる。となると、最早このデスゲームは瓦解寸前、脱出のため行動を急がなければならないだろう。 勿論、これらの事は完全に断定出来たわけではない。単純にプレシアが此方を攪乱するために10分遅らせただけという事もあり得る為、罠の可能性も考慮に入れなければならない。 しかし、どちらにしても早々に動かなければならないだろう。放送の真相が何であれ、参加者の中にはこの異常に気付き行動を起こす者が出てくるからだ。 天道は多くを語らない。それ故に放送やかがみの証言等から何を考え最終的にどうするつもりかまではなのは達の視点からはわからない。 だが、その瞳にはこのデスゲームを打倒し参加者達を救うという強い意志が宿っている―― 残り人数は12人、10分もの謎の放送遅れ、それらから鑑みてこのデスゲームは終盤に入ったと考えて良いだろう。 終焉を告げる歌は静かに奏でられ始めた―― そして、異なる運命を持った役者達はある一点へと集おうとしていた―― 運命が繋がる―― 【2日目 深夜】 【現在地 D-9 森林】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】とがめの着物(上着無し)@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ホテル従業員の制服 【思考】 基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。絶対にヴィヴィオを救出する。 1.アジトに向かい仲間達と合流する。 2.天道と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを探し出して救出する。 3.はやてからかがみを守る。 4.出来れば片翼の男(アンジール)と話をしたいが……。 5.極力全ての戦えない人を保護して仲間を集める。 【備考】 ※キングは最悪の相手だと判断しています。また金居に関しても危険人物である可能性を考えています。 ※はやて(StS)に疑念を抱いています。きちんとお話して確認したいと考えています。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※放送の異変から主催側に何かが起こりプレシアが退場した可能性を考えています。 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】両手首の腱及び両アキレス腱切断(回復中)、腹部に深い刺し傷(回復中)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、はやて(StS)に対する恐怖、なのは(StS)に背負われている 【装備】とがめの着物(上着のみ)@小話メドレー、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX 【道具】なし 【思考】 基本:出来るなら、生きて行きたい。 1.アジトに向かい、はやてやスバル達に謝りたい。 2.こなたを守る。 【備考】 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※第4回放送を聞き逃しました。その為、放送の異変に気付いていません。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康 【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、デルタギア一式・デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 1.アジトに向かう。 2.なのはと共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを救出、何としても親子二人を再会させる。 3.キング及びアンジールは倒さなければならない敵。 【備考】 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。 ※PT事件とJS事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。 ※なのはとヴィヴィオの間の出来事をだいたい把握しました。 ※放送の異変から主催側に何かが起こりプレシアが退場した可能性を考えています。 【チーム:スターズチーム】 【共通思考】 基本:出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。 1.まずは現状確認。 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。 4.工場に向かい首輪を解析する。 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたという事に気付きました。 ※チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。 友好的:なのは、(もう一人のなのは)、(フェイト)、(もう一人のフェイト)、(もう一人のはやて)、ユーノ、(クロノ)、(シグナム)、(ヴィータ)、(シャマル)、(ザフィーラ)、スバル、(ティアナ)、(エリオ)、(キャロ)、(ギンガ)、ヴィヴィオ、(ペンウッド)、天道、(弁慶)、(ゼスト)、(インテグラル)、(C.C.)、(ルルーシュ)、(カレン)、(シャーリー)、こなた、かがみ、(つかさ)、(ミライ)、ヴァッシュ 敵対的:(アーカード)、(アンデルセン)、(浅倉)、(相川始)、(エネル)、キング、アンジール 要注意:(クアットロ)、はやて、金居、(矢車) それ以外:(チンク)・(ディエチ)・(ルーテシア)、(ギルモン・アグモン) Chapter.03 REBIRTH ~女神転生~ 何時まで経っても腕にも足にも激痛は奔らない。手足の感覚までおかしくなったのだろうか? それとも…… 「何のつもりや?」 振り下ろされた筈の小刀はある者の右手の指だけで止められていてそこからは僅かに血も流れている。 「おかしいなぁ……はやてちゃんどうしちゃったのかな……」 その凶刃を止めたのはなのはだ。 「え……なのは……?」 「はっ、何もおかしな事なんてあらへん。私は目の前でシグナム達を殺した阿呆餓鬼に同じ事をしているだけや」 「少し頭冷やして……そんな事、シグナムやエリオが望んでいると思う? 誰も望まないよ」 「望むか望まないかは問題やない。コイツは私ら家族の絆を踏みにじり沢山の人を殺しておきながら自分は悪くない悪いのは私らって言い切ったんや。そんな奴を許せる道理なんかあるかい」 「それは……」 「そもそも、コイツは妹が殺された復讐を正当化しているんや。私がやろうとしていることも正当化されて然るべきやと思わへん?」 かがみがつかさを殺した浅倉を許せず殺そうと考えた以上、はやてがシグナムを殺したかがみを許せず復讐しようとする事を一方的に否定される道理はない。 「なのはちゃんにしてもエリオ達を殺されているわけやろ。まさかとは思うけど、エリオ達は死んで良くてそれを殺したかがみは死んじゃダメなんてアホな事言うつもりやないよな?」 「エリオ達が死んで良いなんて誰も思わないよ。でも今も生きているかがみを死なせてもダメだよ」 「寝言は寝て言えや。コイツが今まで何をしてきたか理解して言っているんか? コイツは自分の悪行を正当化し悪いことは全部他人のせいにして、スバル達を騙し殺し合わせたんや。 シグナム達が死んでいるのにコイツが生きているのは理不尽にも程があると思わへんか?」 「私だって許せるわけないよ! だけど……死んだ方が良いなんて事も絶対にない!」 「そうは言うがなのはちゃん、あんたも助けようとしたけど裏切られたんやろ? スバルやエリオも助けようとして裏切られた……コイツはそんななのはちゃん達の善意をまた裏切るで」 そう……なのはに裏切られたと言っても冷静に考えてみればそれは誤解によるものに過ぎない。エリオとスバルはそもそも助けようとしていて裏切ってなどいない。 他の人に関しても裏切られていたと思っているのは自分だけで、本当は助けようとしていたのかも知れない。にもかかわらず自分はそれを歪曲して受け取りその想いを裏切り踏みにじってきたのだ…… バクラに誘導された? いや、そんな言い訳は通用しない。確かにそうし向けていた所はあったのかも知れないが最終的にその選択をしたのは自分だ。そう、悪いのは自分なのだ。 「言っておくが、コイツは自分の都合の良い風にしか物事を考えへん。今ここでなのはちゃんが助けようとしても、裏切るって思って信じたりなんかせん。そんな奴をこのまま生かしておいても良いと言うんか?」 そう、なのはが自分を助けようとしていても心の底から信じる事は出来ないでいる。 「それでも私は裏切らないよ! それにかがみにだって元の世界に友達や家族だっている。その人達はかがみの事を信じて待っているんだよ! それにかがみは本当は優しい子だよ! 家族や友達が死んで怒れるって事がその証拠じゃない! だから今からでもやり直せる、今からでも死んだ人達の事を忘れずに殺した罪を背負って生きていく事だって出来るよ! はやてちゃん達だってそうだったんだから……」 こんな自分を信じてくれる……まだやり直せると言ってくれる……なのはは本当に私を助けたいと思ってくれていた…… なのはだって本当はエリオ達を殺された事は許せない筈なのに……それでも私を助けたいと…… 正直な所、あまりに虫の良い話だと思うし今更皆に会わせる顔なんて無いと思う。 それでも、やり直せるならばやり直したい。今度こそきちんと罪と向き合って―― だって、こんなにも自分を信じて助けようとしている人がいるんだから―― 長い夢が終わる―― 彼女が目覚めた後どのような選択を取るのか―― その選択の末にどのような結末を迎えるのか―― それは今はわからない―― それでも―― 呪われた運命を変える力は誰もが持っている―― 今からでも生まれ変わる事は可能―― そう信じている―― Back 救済N/EGO~eyes glazing over 時系列順で読む Next 罪 投下順で読む Next 罪 高町なのは(StS) Next 罪 柊かがみ Next 罪 天道総司 Next 罪
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1909.html
前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 瓦礫の中ユーノは空を見上げる。 白い雲がだぶって見えた。 頭を振るとようやく視界が元に戻る。 「ルイズは?」 いた。 蔓がさらに巻き付き、2階建ての建物より高く持ち上げられていた。 (ルイズ、魔法を使って) 念話を使う。 もがくルイズからの応答は少し時間がかかった。 (無理よ。集中できないわ。きゃっ) ルイズが魔法を使うには集中と呪文が必要になる。 まだ即座に使用できるほどの技術を身につけてはいない。 なら…… 「僕が助けないと」 ユーノは再び空へ飛ぶ。 また地面を掘り起こして根が無数に伸びた。 それらは寄り集まり、壁のようになってそびえ、ユーノの行く手を遮った。 「うわあっ」 突如出現した壁にぶつかりそうになったユーノは慌てて止まる。 すると、壁になった木の根は新たに枝分かれを始めた。 枝は鞭となってユーノに降りかかる。 「うわ、このっ」 滝のように降り注ぐ鞭を右に避ける。 そこには別の鞭が右から迫っていた。 「くっ」 シールドで防ぐ。 動きが止まったユーノに下からさらに鞭が飛ぶ。 「チェーンバインド!」 光の鎖で絡め取り、地面に縛り付ける。 次は左上から。 右のシールドを解除して腕を上げる。 が、間に合わない 「あうっ」 頭をしたたかに殴られたユーノは回転しながら再び瓦礫に突っ込んだ。 煉瓦が吹き飛び、剣の形をした看板がへし折れる。 砂煙がもうもうと上がった。 「おい、おい!」 目が半分しか開かない。 青い空が見える。 うまく考えがまとまらない。 頭がぼーっとしてる。 「おい、おい!しっかりしろ。ぼうず」 ユーノは痛む頭で考える。 倒れているのはわかるが、なんで倒れているんだろう。 なんでこんな所にいるんだろう。 耳の中に入ってくる言葉の意味がわからない。 「いいかげんに起きな!ぼうず!」 目が覚める。 言葉が頭の中で意味を持っていく。 同時に、バラバラだった記憶が元に戻っていった。 「そうだ、ルイズを助けに行って……上から叩かれて……」 「ようやく起きたか。死んじまったかと思ったぜ」 誰かが起こしてくれたみたいだ。 「その……ありがとう」 ユーノは辺りを見回した。 だけど周りには瓦礫だらけ。 人は誰もいない。 「あれ?……空耳……かな?」 「空耳じゃねえよ。だいたい、いつまで俺をてめぇの尻に敷いているんだ!」 「わ、ごめんなさい」 飛び退くが、今まで寝ていた場所には誰もいない。 かわりに建物の残骸とそれに混じって剣や槍が転がっていた。 でも人はない。 「どこ見てんだ。ここだ、ここだよ」 声が聞こえる方をみてみる。 その先には人はおらず、錆びたユーノの背と同じくらいの長さの剣が一本あるだけだった。 「こ……れ?」 「そうだ。それが、俺だよ。ようやく見つけたか」 錆びた剣から声がする。 「デバイス?」 「デバイス?なんだそりゃ。俺はデルフリンガーってんだ。まあ、いいや。それより、あの化け物みたいな木は周りにあるモンを片っ端から殴って行ってるみたいだぜ。ここまで生えてこねえうちに逃げたほうがいいとおもうがね」 「だめだよ。逃げられない」 「なんでぇ?」 ユーノは空中で蔓に絡まれながらもがくルイズを指さす。 「ルイズを助けないと」 「なんだ、おめえあの娘っ子を助けてえのか」 「うん」 ユーノは迷うことなく答えた。 「そういうことかよ……よし、なら坊主。俺を使いな」 「え?」 ユーノは剣を掴もうとした手を、すぐに引っ込めた。 「僕は剣を使ったことがないんだ」 「使ったことないったって、おめえ使い手だろ?」 「使い手?ううん、僕は魔導師だけど」 「あーーっ、そういうことじゃなくってな。使い手ってのはな……俺もよくしらねえが、おめぇは使い手だから俺を使えるんだよ!」 「で、でも」 「いいから、俺を持ちやがれ!!」 「あ……うん」 ユーノはあわてて剣の束を持つ。 デルフリンガーと名乗る喋る長剣は長さはユーノと同じくらい、幅も広く、分厚いしっかりした作りだ。 錆は浮いていてもかなりの重量になる。 よく考えたら持ち上がるはずがない。 だが、ユーノはその剣が羽であるかのように軽々と持ち上げる。 左手に刻まれたルーンが光を放っていた。 「あ……」 「な、言ったとおりだろ?」 身長ほどもある剣が手になじんでいる。 今まで感じたことにない感触をユーノは扱いかねていた。 「おっと、そこでぼけている暇はないぜ。あの娘っ子、ますますまずいことになってるぜ」 ルイズの手足は蔓に覆われて見えなくなってしまっている。 ここからだとルイズは親指くらいにしか見えない。 なのに、ルイズが苦痛で顔をゆがめているのがはっきり見えた。 「行きな!小僧」 「ルイズっ!!」 ユーノは3度、空に体を舞わせた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/206.html
リリカル犬狼伝説 クロス元:犬狼伝説 最終更新:07/10/07 プロローグ『ある事件の結末』 ・ACT1 『捨て犬』(前半) ・ACT1 『捨て犬』(後半) ・ACT2 『猟犬 -ヤクトハウンド-』(前編) カオスJOJO クロス元:ジョジョの奇妙な冒険 ※完結 第一話 真のクロス職人の巻 風に帰る戦士の巻 魔法成人リリカル某 クロス元:スプリガン 【第一話 それは不思議な出会いなのだッッ!!】 第二話『魔法の呪文はリリカルなのだッッ!!』前編 第二話『魔法の呪文はリリカルなのだッッ!!』中篇 第二話『魔法の呪文はリリカルなのだッッ!!』後編 その1 TOPページへ このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/nanohainnocent/pages/22.html
課金が足りないです /(´・x・`)\ ふつうのローダーも10連を作ってもらえないものかしら…… 誰かとお話しする ショップ所属のキャラクターと話をできます。 ストーリーを閲覧できる他、カードやアイテムなどをもらえる事があります。 ランダムで登場するキャラと対話することで仲良しレベルが上がっていきます。 仲良しレベルは現在、各キャラクター「レベル12」まで存在します。 ローダーを引く 各種ローダーを引いて、カードを入手することができます。 「プラチナローダー」を引くにはモバコインが必要です。 + カードローダーから入手できたR サービス開始から出た リンディ・ハラオウン [ディストーションブレイク] ユーノ [結界魔導師] アルフ [戦闘狼] リニス・ランスター [シンフォニックタクト] クロノ・ハラオウン [ブレイズカノン] のろいうさぎR [正義の相棒うさぎ] 「ユーリ・セレクション」キャンペーン期間に出た 月村すずか [フローズンネイル] プレシア・テスタロッサ [ネメシスウィップ] リンディ・ハラオウン [ディストーションブレイク] 八神ヴィータ [ギガント・ドリュッケン] 八神ザフィーラ [裂鋼爪牙] 八神リインフォース・アインス [ナイトメア] のろいうさぎR [正義の相棒うさぎ] シュテル・ザ・デストラクター [ブラストヘッド] 「GDW」キャンペーン期間に出た (CAコラボカード) 天使フェイト [小さな医療天使] 2013/10/06のメンテナンス以降出た フェイト・テスタロッサ[マッハクレッセント] プレシア・テスタロッサ[ネメシスウィップ] リンディ・ハラオウン[ディストーションブレイク] ユーノ[結界魔導師] アルフ[戦闘狼] クロノ・ハラオウン[ブレイズカノン] 八神はやて[夜天の主] 八神シャマル[ルフトシュトローム] 八神リインフォース・アインス[パイルスピア・ガイスト] アミティエ・フローリアン[ガン&ブレイド] キリエ・フローリアン[ヴァリアントフェンサー] ユーリ・エーベルヴァイン[スピリットフレア] アイテム購入 アイテムを購入できます。 アイテム購入にはモバコインが必要です。 回復アイテムやレベルアップアイテム、チケット類を販売しています。